1.歴史について 

本の芸能の一種で、南北朝時代(1336〜1392)から室町時代(1338〜1517)にかけて作られた劇。屋根のある専用舞台をもち、面を用い、脚本、音楽、演技など独特の様式(複式夢幻能など)を備えた歌舞劇であります。

の昔、奈良、平安時代から庶民の間で親しまれてきた歌舞音曲や、神への奉納の舞が集大成され、能となったのは、鎌倉時代後期から室町時代前期と言われます。民衆の芸能が当時盛んになった「禅宗」「水墨画」「茶」などと刺激しあいながらリンクし、幕府や貴族階級に保護され洗練されていきました。その中でも観阿弥、世阿弥親子は歌舞中心で、芸術性の高い美しい能を作り、足利将軍義満に見いだされ大成していきました。

の能の大成者、世阿弥(ぜあみ)は日本の演劇史上最も重要な人物のひとりです。世阿弥が独自の芸術論である『風姿花伝』を著したのは、シェークスピアが登場する200年近くも前のことです。その芸術論は現在でも思わぬところで私たちの生活に影響を及ぼしています。

「能」はもともと「申楽(さるがく)の能」と呼ばれていました。(後に当て字で「猿楽」とも)
申楽とは、唐時代中国で盛んだった散楽(宮廷で採用された雅楽、正楽に対する言葉で、民間で行われた雑多な芸能)の名に由来し、神楽より分かれてつくられた芸能なので「神」より編を取った旁の「申」を残し、「楽しみを申す」という意味だと『風姿花伝』にも記されております。

戸時代(1603〜1867)になると武士の式楽となり、儀式芸能という枠にはめられその様式は確定されましたが、脚本は14〜16世紀に作られた作品をそのまま用い、旧作を繰り返して演能し、技術の洗練を重ねました。現代の能は江戸時代の事大事主義や形式主義を受け継ぎつつも、その本来の演劇性を徐々に取り戻して演じられているといえます。

また、「能」とは才能、能力、技能、知能などの意味で、「能楽」という名称になったのは意外にも明治時代になってからです。

 

日本の伝統芸能 能 について
能の役の種類と流儀について
能面について
作品の色分

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