芦屋・西宮かんたん図

★…鵺塚
「鵺」
(ぬえ)旅の僧(ワキ)は蘆屋の里で宿を借りようとしたが、禁制を理由に泊めてもううことができない。里人は州崎の御堂ならば泊まれるであろうが、そこは化け物がでるという。僧は法力を頼みに一夜を明かすことにしたところ、果たして人の姿とは思えない者(舟人・前シテ)が夜半にあらわれ、自分は源頼政によって討たれた鵺の亡魂であるといい、そのときの様子を物語り夜の波に紛れて姿を消す。僧が読経していると鵺の亡霊(後シテ)が現れ、頼政の武功と自分の滅びの様子を見せた後、僧に救いを求めつつ再び海のかなたへと消え行く。
鵺は頭が猿、尾がへび、手足がトラ、トラツグミに似た声をだすという闇の妖怪。能は敗者側から勝者(頼政)に光りをあてるという、逆説の構成。栄光、逆境ともに身に負った作者世阿弥。弱き者、滅び去る者への哀切と万感の同情が「鵺」に託されているのかも…。見るというより謡の妙をじっくり聞き、詞章を味わう曲か…。